ハリー・ポッターと炎のゴブレットHarryPotterandtheGoblet.epub

第１章 リドルの館 The Riddle House 第２章 傷痕 The Scar 第３章 招待状 The Invitation 第４章 再び「隠れ穴」へ Back to The Burrow 第５章 ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ Weasleys' Wizard Wheezes 第６章 ポート 移動 キー The Portkey 第７章 バグマンとクラウチ 第８章 クィディッチ・ワールドカップ 第９章 闇の印 第 10 章 魔法省スキャンダル 第 11 章 ホグワーツ特急に乗って 第 12 章 トライウィザード・ 三大魔法学校 第 13 章 マッド‐アイ・ムーディ リドル家の人々がそこに住んでいたのはもう何年も前のことなのに、リトル・ハングルトンの 村では、まだその家を「リドルの やかた 館 」と呼んでいた。村を見下ろす小高い丘の上に建つ館は、 あちこちの窓には板が打ちつけられ、 や 屋 ね 根 がわら 瓦 ははがれ、 つた 蔦 が から 絡 み ほう 放 だい 題 になっていた。かつて は見事な館だった。その近辺何キロにもわたってこれほど大きく ごう 豪 か 華 な や 屋 しき 敷 はなかったもの を、いまやぼうぼうと荒れ果て、住む人もない。 リトル・ハングルトンの村人は、誰もがこの古屋敷を「 ぶ 不 き 気 み 味 」に思っていた。五十年前、 この館で起きた、何とも ふ 不 か 可 し 思 ぎ 議 で恐ろしい出来事のせいだ。昔からの村人たちは、 うわさ 噂 ばなし 話 の種 が尽きてくると、いまでも好んでその話を持ち出した。 く 繰 り返し語り つ 継 がれ、あちこちで尾ひ れがついたので、何がほんとうなのか、いまでは誰もわからなくなっていた。しかし、どの話も はじまりはみな同じだった。五十年前、リドルの館がまだ、きちんと手入れされた そう 壮 だい 大 な屋敷 だったころのこと。ある晴れた夏の日の明け方、 きゃく 客 ま 間 に入ってきたメイドが、リドル家の三人 が全員 いき 息 た 絶 えているのを見つけたのだ。メイドは ひ 悲 めい 鳴 を上げて丘の上から村まで か 駆 け下り、 かた 片 っ ぱし 端 から村人を起こしてまわった。 「目ん玉ひんむいたまんま倒れてる！ 氷みたいに冷たいよ！ ディナーの せい 正 そう 装 したまんま だ！」 警察が......