白夜行日文版
- 资料大王PDF
-
0 次阅读
-
0 次下载
-
2024-04-03 21:55:05
微信
赏
支付宝
文档简介:
白夜行
東野圭吾
-------------------------------------------------------
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)その拍子に砂埃《すなぼこり》が
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)近鉄|布施《ふせ》駅を出て、
-------------------------------------------------------
[#ここから3字下げ]
第 一 章
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから7字下げ]
1
[#ここで字下げ終わり]
近鉄|布施《ふせ》駅を出て、線路脇を西に向かって歩きだした。
十月だというのにひどく蒸し暑い。そのくせ地面は乾いていて、ト
ラックが勢いよく通り過ぎると、その拍子に砂埃《すなぼこり》が目
に入りそうになった。顔をしかめ目元をこすった。
笹垣《ささがき》潤三《じゅんぞう》の足取りは、決して軽いとは
いえなかった。本来ならば今日は非番のはずだった。久しぶりに、の
んびり読書でもしようと思っていた。今日のために、松本清張の新作
を読まないでいたのだ。
右側に公園が見えてきた。三角ベースの野球なら、同時に二つの試
合ができそうな広さだ。ジャングルジム、ブランコ、滑り台といった
定番の遊戯設備もある。このあたりの公園の中では一番大きい。真澄
《ますみ》公園というのが正式名称である。
その公園の向こうに七階建てのビルが建っている。一見したところ
では、何の変哲もない建物だ。だがその中が殆《ほとん》どがらんど
うの状態であることを笹垣は知っている。府警本部に配属される前ま
で、彼はこの付近を管轄する西布施警察署にいた。
ビルの前には早くも野次馬が群がっていた。彼等に囲まれるよう
に、パトカーが数台止まっているのが見えた。
笹垣は真っ直ぐビルには向かわず、公園の手前の道を右に曲がっ
た。角から五軒目に、いか焼き、と書いた看板を出した店がある。間
口が一間ほどの小さな店だ。通りに面するようにいか焼きの台が置か
れ、その向こうで五十歳前後と思われる太った女が新聞を読んでい
た。店の奥では駄菓子を売っているようだが、子供の姿はない。
「おばちゃん、一枚焼いて」笹垣は声をかけた。
中年女はあわてて新聞を閉じた。「ああ、はいはい」
女は立ち上がり、椅子に新聞を置いた。笹垣はピースをくわえ、
マッチで火をつけてから、その新聞を眺めた。『厚生省、市場の魚介
類水銀濃度検査の結果を発表』という見出しが見えた。横に小さく、
『魚を大量に食べても許容量下回る』とある。
三月に熊本水俣病の判決がいい渡され、新潟水俣病、四日市大気汚
染、イタイイタイ病と......
评论
发表评论